第40話

…ーーー次の日 


少し早めに出社した私は、昨日作成したパワーポイントを見直していた。


会長が来るのなら、見直さなれば私が落ちつかないのだ。

けれど、昨日の社長とのキスで頭がいっぱいで一睡も出来なかった。


眠気で重たい眼が閉じないように、

私は脳をフル回転させていた。


このプロジェクトを成功させる為には、

まず最初の企画発表からが肝心要だから。


「おはようございます〜、早いですねえせんぱい」


呑気な声で、出社時間ギリギリに入ってきた櫻井さんは、欠伸をしながら挨拶してきた。


「おはよう」


「はあ〜、もう昨日ドラマ見てて寝不足なんですよねえ」


…あんたは呑気でいいな、


と彼女の声を無視し、資料の間違いがないかチェックする。


「…もう!天宮せんぱい冷たい〜、!

あ!社長〜おはようございます〜」


そのタイミングで入ってきた社長に、

彼女は猫撫で声で話しかける。


「…おはようございます」


私も聞こえるか聞こえないかギリギリのボリュームで挨拶をする。


「…ああ」


安定に返ってこない挨拶に、少し安心するのは何故だろうか。

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