第34話

レストランの支配人が案内したテーブルには、

男性と女性がすでに座っていた。


…え、2人じゃないの、?


いや2人きりでも困るんだけど…、


「あら、遅かったわね彪雅」


その女性の声で、私はすぐに誰かわかってしまった。


社長のお母様…御堂みどう 千鶴江ちづえと、


「おお、やっときたか彪雅…それに奈那さん」


社長のお父様、そして御堂グループの会長、

御堂みどう 良典よしのりがいた。



…家族団欒に何故私が招かれているのだろう。


不思議に思いながらも心拍数は上がり、

私は黙って椅子に腰掛けるしかなかった。


「お久しぶりね奈那さん、お元気だった?」


千鶴江さんが私ににっこりと微笑んでくる。

社長は千鶴江さんによく似ている。

千鶴江さんも異国の人のようなオーラのある美人な方だ。


「はい、お陰さまで、

会長も千鶴江さんもお元気そうで何よりです」


会長は私を見て、ふわりと微笑んむ。

この方のオーラはいつも柔らかいものだ。


会長とはやはりこのくらいの器の大きさがなければやってはいけないのだろう。

御堂グループをここまで大きくした中枢人なのだから。

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