第27話
誰も使っていない会議室で泣いて、
目の腫れが引くまで、そこでボーっとしていた。
けれど次の予定があり嫌でも社長と顔を合わせなきゃいけないので、
化粧室でメイクを直し、
社長室に何喰わぬ顔で戻った。
社長室には社長はいなくて、
先程、置いていってしまったお弁当箱がわたしの机の上に寂しく置いてあった。
…っ!
けれど違和感に気づいた。
私がお弁当箱を包んだ時とランチクロスの結び目の形が違ったのだ。
私はゆっくりと震える指で、クロスを解き、
中身を見ると…
ハンバーグだけ綺麗に食べられていた。
…何だよ、ハンバーグだけ食べるなんてずるいよ、
でも、社長なりの優しさなんだと私は後で気づいたんだ。
《《
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます