第11話

私は急いで、たい焼き屋さんに向かう。

けれど大体、オープン時間前でどこも開いていない。


待って…もう時間ないじゃん!

社長のお迎えの時間まであと30分。


本社ビルまでここから約15分かかるから、

時間はあと15分しかない。


どうしよう…たい焼き屋さんってもうないし、

そう思った時、目の前のカフェに「クロワッサンたい焼き」と書いてあるポップが目に入った。


これでいいや!社長ごめんなさい。

天宮、クロワッサンたい焼きを買います!


カフェに入って、クロワッサンたい焼きを買い、急いで本社ビルへ向かった。


本社ビルにぎりぎりで着き、エントランスで

社長を待っていると、目の前の車から綺麗な女の人が出てきた。


わ…なんだこの綺麗な人。

思わず目で追ってしまう程綺麗な彼女は、

そそくさと本社に入って行った。


やっぱり世の中は不公平だなと呑気な事を考えていると、社長が乗り込んできた。


「お疲れ様です」


「…」


不機嫌オーラは朝より増し増しになっている。

眉間に皺が寄っているから…。

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