第5話
ーーー…御堂グループ
IT関連を中心に、観光業、アパレル業など幅広く手掛けている日本有数の財閥だ。
私が現在勤めている会社もMDコーポレーションというIT企業である。
そこの社長を任せられているのが、この御堂グループ代表の息子である御堂彪雅というわけだ。
残念ながら、この男は超やり手で、
株主総会で代表取締役に就任したその年から、
売り上げをどんどん伸ばしていった。
だから皆、容姿端麗で仕事に関してもストイックな彼に何も言う事ができないのだ。
超絶、性格が悪くてもね…。
「天宮、午後から視察予定の工場のデータはまとめてあるのか」
私を鋭い眼光で見つめてくる御堂社長。
まるで大蛇に食べられそうな鼠状態の私は、ごくりと生唾を呑んだ。
「…は、はい、社長のデスクに…」
…パシャ…っ
そう言った瞬間、社長の腕がデスクに置いてあったアイスコーヒーの容器に触れ、倒れたそれは無惨にもデスク全体に広がってしまった。
どーして、今のタイミングで溢すのよ!
なんて言えず、急いで布巾を取りに行き、
デスクを拭くと、私が先程言った今日の視察工場のデータの資料がコーヒーによってびしょびしょになっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます