第39話

志弐は困ったように笑い


その後は話しかけてこなかった。


車は街中を進み、途中で路地裏に入った。


「紅亜、降りて」


降りると小洒落たお店があった。


志弐は躊躇わずにお店に入ってゆく。


私も後に続いた。


「いらっしゃい」


優しそうなおじさんがカウンターから


声をかけてくれた。


志弐は窓側の席に腰を下ろした。


私もその向かい側に座る。


「ここ、中々雰囲気いいっしょ?

紅亜のこと連れてきたかった」

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