第33話
「はぁ、やっとひと段落できる」
図書室の古い本の匂いを吸い込む。
「なんか、図書室って
龍の匂いする、」
「あ?俺はこんなカビ臭くねぇよ」
眉を寄せる龍に笑う。
「そーゆう意味じゃなくて!
なんか図書室の匂いじゃなくて、
龍の匂いなの!」
「わかんねぇ…
だからアホって言われんだよアホ」
ぽかっと龍を殴る。
「龍サイテー!
アホなんか言われたくないですよーだ!」
「ハイハイ、
ん、やるよ食えよ」
わたしの手の中に乗せられたのは、
苺みるく飴 。
「龍、こんなの食べるんだ 、
なんか意外」
顔がニヤけてたのか、
龍のゲンコツが落ちてきた。
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