第38話

「そうか 、」


と、目を細めて微笑む 。


その顔にドキっとする。


いつもお店で笑いかけてくれるのと、

今日は違う感じがする 。


なんでだろう ?

このシチュエーションだから?


「和食は嫌いか?」


「え ? 和食ですか ?

好きですよ!!」


突然、海歟さんが尋ねてきた 。


私は、どちらかというと、

洋食より和食派だ 。


「着いたぞ 、」


窓から外を見渡すと、


大きな門のある和食屋さんだった。

国宝なんじゃないかってくらいの出で立ち 。


自分でドアを開けようとしたら

運転手の人がニコリと笑って開けてくれた。


「あ、ありがとうございます」


「いえ、」


私に目線を合わせないように、

微笑んでいる。


こ、怖い 、なんか、怖い …


「千歳、来い 」

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