第18話
「なんだ?
もっと上に見えたか?」
心の声読まれた!?
「い、いえっ、」
「正直だな、」
顎を持ち上げられ、
顔が赤くなるのがわかる。
「あ、あの、」
「なんだ、?」
「あ、顎、」
海歟さんは面白そうにわたしを見ている。
「面白い、」
運ばれてきたワインを一口飲み、
タバコを吸おうとしていた。
あ、緑山さん(支配人)に言われたんだ!
「お客様が煙草を吸うときは、
火を点けてさしあげること、」
今、完全に忘れていた。
「あ、火、つけます、」
「ん?あぁ、大丈夫だ、
千歳にはやらせたくない、」
「?」
頭にハテナマークが浮かぶ。
「煙草、嫌いか?」
「あ、いえ大丈夫ですよ」
お客様の前だから、
本当は苦手です!なんて言ったら失礼だよね。
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