第17話

「リカさん、ご指名です 」


バックヤードでボーっとしていると、

ボーイに呼ばれた。


え?


まだ開店してから数分も経ってない、


他のキャバ嬢は、

興味なさそうに話したりしている。


ここの人たちに、悪い人はいない。


借金のカタに働かされている私を

気遣ってくれる。


ボーイについて行くと、

この前の人がいた。


「あ、」


思わず声を出していた。


「久しぶりだな、千歳」


「あ、いらっしゃいませ海歟さん」


席に座り、海歟さんに飲み物を尋ねる。


「あー、ワインで、」


「はい、」


ボーイを呼んで、ワインを注文する。


「飲まないのか?」


「あ、お酒弱いので、」


そう言うと、海歟さんは少し笑う。


「意外だな、

年はいくつだ?」


「21です、」


「ひとつ下か、」


海歟さんは、22?

失礼だけど、もっと上に見えた。

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