料理がちょうど並び終えた頃、柊司さんが戻って来た。

（あれ…？）

「あぁ、お腹すいた。」

そう言いながら、ソファに座った柊司さんは、ポロシャツにスラックス姿。

旅行中から、実は気にはなってたんだよね。

柊司さんはホテルに戻ると、いつも服を着替えてた。

私はジャージに着替えてたんだけど、柊司さんはいつも今みたいな感じの服装だった。

なんでだろ？？

別にその後どこかに行くようなこともなかったのに…

「旦那様、奥様…お食事の用意が整いました。」

「はい、ありがとう。」

テーブルの上には、食べきれない程の料理がずらりと並んでる。

なんて美味しそうなんだろう！

「三田さん、いつもありがとうね。」

「いえ、お粗末様です。」

あれ？三田さんが微笑んでるよ。

堅物の三田さんでさえも、柊司さんの優しさと天使の微笑みには心が動かされてしまうんだね。

でも、柊司さん…家政婦さんにも優しいって、なんか良いな。

お金持ちだからって、偉そうにする人もいるだろうけど、そんなんじゃないところがとっても素敵だよ。

イケメンなのに、性格も良いなんて、本当に最高だね。

「……あれ？食べないの？」

「え？い、いえ、食べます、食べます！」

物思いから覚めた私は、慌てて料理を口にした。

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