第42話




(うわぁ~……)




顔を洗って歯を磨き、服を着替えて食堂に行ったら、テーブルの上には旅館のような豪華な和食が準備されていた。

それほど長い時間がかかったわけじゃないのに、こんなに素晴らしい料理を作ってくれるなんて、なんてすごい家政婦さんなんだろう。

まずは、煮魚に手を伸ばす。

もしかして、これはキンキって魚かな?




(わぁぁ…お上品な良い味…)




野菜の煮物も美味しいし、だし巻きはふわふわで、香りの良いお漬物ももしや自家製!?

ごはんの炊き具合もバッチリだし、朝から大満足の朝食だった。




「ご馳走様でした。

とても美味しかったです。」


お茶を淹れてくれる三田さんに声をかけた。




「ありがとうございます。

あの、奥様…奥様のお好きな食べ物とお嫌いなものをお教え願いますか?」


「あ、私はなんでもいただきます。

特に嫌いなものはありません。」


「アレルギーはございますか?」


「いえ、何も…」


「それでは、味付けですが、どちらかといえば薄口、もしくは濃い方、どちらが宜しいですか?」


「はい、さっきのお味付けでちょうど良かったです。」


「そうですか。それでは、スイーツですが…」


食べるものに関する三田さんの質問は、けっこう細かくいろいろ訊かれた。

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