第41話




「う…うぅん……ん?えっ!?」




目が覚めて、ふと時計を見たら、10時過ぎ。

え?10時って……え??




慌てて飛び起き、部屋を出たら、そこには知らない女性がいた。

私を見てにこりともしない、愛想の良くない中年の女性だ。

女性は、深く頭を下げる。




「奥様…で、ございますね。

私、家政婦の三田明子と申します。

どうぞ、よろしくお願いします。」


「ど、どうも。

こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。

あ、あの…柊司さんは…?」


「もうおでかけになられました。」




あちゃー…

やってしまった。

同居一日目から、お見送りも出来なかったなんて…




さらに、私はこの時、すっぴんで寝間着姿。

きっと髪の毛だって、くしゃくしゃだ。

いくら相手が家政婦さんとはいえ、非常に落ち着かない。




「すぐに朝食の準備を…

洋食と和食、どちらになさいますか?」


「え?えっと…どちらでも…

私、顔、洗って来ます!」


私は逃げるように三田さんの前から駆け出した。

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