第28話
「あ、明日は、柊司さんのご実家に行きませんか?
それこそ、お土産もありますし…」
「え……そうする?」
ん?ちょっと戸惑ったような様子だったのはなぜなのかな?
「はい、うちはそのあとで良いので…」
「じゃあ、先に僕の実家に行って、それから君のご実家に行こうか?」
「そうですね。
じゃあ、そうしましょう。」
*
「えーっ!急にそんなこと言われても困るわよ。」
受話器から、お母さんの不満気な声が響く。
「柊司さんは細かいこと気にしないから、大丈夫だって。」
「お母さんが気になるわよ。
柊司さんに、いい加減な主婦だって思われちゃうじゃない。」
「お母さんは毎日パン屋さんで働いてるんだから、そんなの仕方ないよ。
柊司さんもわかってくれてるって。」
「そうかしら…あ、そうだ!
外で会うのはどう?」
お母さんとしては、柊司さんを家にあげたくないようだ。
確かに、その気持ちはわからないでもない。
私も、結婚前に柊司さん親子が家に来るってなった時はとても悩んだもんなぁ。
子供の頃から、我が家はそこそこ散らかってるのがデフォルトだったし、友達が来てもそんなに気にならなかったけど、柊司さん親子となると、やっぱりそうはいかない。
あの時は、日にちもあったからまだ良かったけど、明日来るなんて言ったら、そりゃあ大変だよね。
徹夜したって、どこまで片付けられるかわからないし。
「じゃあ、外でみんなでごはんでも食べようか。
どこかゆっくり出来るお店はある?」
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