第25話

「明日は、とにかくゆっくりしよう。」


「はい、そうですね。」




明日は日曜日。

当然、柊司さんも仕事は休みだ。




「明日は何かしたいことある?」


「え?」


「どこか行きたいとことか…って、ゆっくりしようってさっき言ったばかりなのにね。」


きゃー…

ちょっと照れたようなその表情、めちゃめちゃ可愛いんですけど。

今、私の心のカメラは連写してたよ。

それに、私の意向を訊いてくれるなんて、なんて優しいんだろう?




「え、えっと…じゃあ、ちょっとゆっくり目に起きて…

昼過ぎからどこかに出かけましょうか?」


「そうだね。どういうところに行きたいの?

君はどこに行っても楽しんでくれるけど、一番好きなのはどういうところなの?」


「え……?」




どこに行っても楽しんでくれる…だって。

別に無理してるわけじゃない。

本当に、ハネムーンはどこも珍しかったし、楽しかったからごく素直に反応しただけだったんだけど…




私が、一番好きなところって…そういえば、どこなんだろう?




考えているうちに、気が付いた。

そっか、私、柊司さんと一緒だったから、どこに行っても楽しかったんだよ。

優しくて、イケメンで最高に素敵な私の旦那様と一緒だったから…!

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