第23話

ハネムーン中も、こんなに贅沢して良いのかな?って思うくらい、豪華なホテルに宿泊した。

だから、ずっと寝室は別々だった。

慣れて来ると、そういうことも特になんとも感じなくなったけど…

先のことを考えると、気分はやっぱりちょっと複雑。




この旅行が終わったら、私は、柊司さんの家で一緒に住むんだよね。

結婚前に、何度か訪ねたことはある。

駅前のコンシェルジェ付きの豪華なタワーマンションだった。

私の部屋っていうのがあって…

以前はそこは客間の一つだったらしいんだけど、家具やらインテリアをどうしたいか、訊ねられた。

すでに、趣味の良い雰囲気にまとめられていて、不服なんてなかった。

だけど、柊司さんが気を遣ってくれて、ほとんどの家具を新品に変えてくれた。

日当たりも良いし、広いし、テレビもうんと大きいし、実家の私の部屋よりずっと居心地が良い。




だから、本当に不服なんかないんだけど…

でも、本音を言えばやっぱりちょっと寂しい。




(だめだめ!そこまで望んじゃだめだよね。)




最初から分かっていたことだもん。

うん、もうそのことは考えないことにしよう!

一人ぼっちの寝室で、私はそう決意した。

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