第22話

おかげで気分的にもすごく安心出来た。

万一、なにかあっても、柊司さんが英語しゃべれるんだから、何の心配もない。

私は、柊司さんに連れて行かれるままに観光して、思う存分、楽しんだ。

そういえば、今回のハネムーンはツアーじゃない。

つまり、行き先は、全部柊司さんが決めたってことになる。

それに、まるで地元の人みたいに、交通事情もわかってるみたい。




そんな調子で、私たちはいくつかのヨーロッパの国を観光して…

もう毎日が楽しくて楽しくて…

気が付けば、あっという間に二週間ほどの時が流れていた。




「長いようで短かったね。」


「そうですね。

もう二週間も経ったなんて、とても思えないですね。」


「君のお陰で、とても楽しい旅行になったよ。

どうもありがとう。」


「えー…こ、こちらこそ。」




『君のお陰で、とても楽しい旅行になったよ。』




柊司さんの言葉が、頭の中でリフレインする。

そんなこと言う日本人男性は少ないよ。

お世辞かな?

そんなことないよね?本心だよね?

だって、私にお世辞を言う必要なんてないもんね。




もうもうもうっ!

なんて良い人なんだろう。

幸せ過ぎて、なんだか逆に怖くなって来るよ。

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