第18話




「今日は疲れただろう。」


「い、いえ…とても楽しかったです。」


「そうか、それなら良かった。」




結婚式が終わって…両親とお茶を飲んでゆっくりした後、私と柊司さんは、ホテルの部屋に向かった。

明日の朝、ハネムーンに出かけるため、今夜はここでお泊り。

生まれて初めて泊まるスイートルームだ。

部屋がいくつもあること自体びっくりだけど、そのひとつひとつがこれまた豪華なもので。

キラッキラのシャンデリア…ふかふかのソファー、そして、寝室のベッドはキングサイズ…

それを見たらちょっと恥ずかしくなったけど、私と柊司さんの間には、愛がないから何もない。




初日から、そんなことで落ち込んでたらどうにもならない。

それはもう最初から言われてることなんだから。




でも…どうするんだろう?

愛がないから、やっぱり同じベッドには寝ないのか、もはやそんなことは了承済みだから、隣に寝ることくらいなんともないのか…




「どうかしたのか?」


「えっ?あ…あの…」


柊司さんは、寝室の扉の前で立ち止まってる私の頭越しに、中をのぞいた。




「……なるほど。ベッドで悩んでいたのか。

心配はないよ。

僕はゲストルームのベッドを使うから、君はここを使ったら良い。

このベッドなら余程寝相が悪くても大丈夫だな。」


そんなことを言って微笑む柊司さん…あぁ~…なんて美しい…

毎日、こんな調子で大丈夫なのかな?

私、幸せ過ぎて、とろけてしまわない?

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