第18話
*
「今日は疲れただろう。」
「い、いえ…とても楽しかったです。」
「そうか、それなら良かった。」
結婚式が終わって…両親とお茶を飲んでゆっくりした後、私と柊司さんは、ホテルの部屋に向かった。
明日の朝、ハネムーンに出かけるため、今夜はここでお泊り。
生まれて初めて泊まるスイートルームだ。
部屋がいくつもあること自体びっくりだけど、そのひとつひとつがこれまた豪華なもので。
キラッキラのシャンデリア…ふかふかのソファー、そして、寝室のベッドはキングサイズ…
それを見たらちょっと恥ずかしくなったけど、私と柊司さんの間には、愛がないから何もない。
初日から、そんなことで落ち込んでたらどうにもならない。
それはもう最初から言われてることなんだから。
でも…どうするんだろう?
愛がないから、やっぱり同じベッドには寝ないのか、もはやそんなことは了承済みだから、隣に寝ることくらいなんともないのか…
「どうかしたのか?」
「えっ?あ…あの…」
柊司さんは、寝室の扉の前で立ち止まってる私の頭越しに、中をのぞいた。
「……なるほど。ベッドで悩んでいたのか。
心配はないよ。
僕はゲストルームのベッドを使うから、君はここを使ったら良い。
このベッドなら余程寝相が悪くても大丈夫だな。」
そんなことを言って微笑む柊司さん…あぁ~…なんて美しい…
毎日、こんな調子で大丈夫なのかな?
私、幸せ過ぎて、とろけてしまわない?
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