第17話




「芹香、おめでとう~!」




お見合いの日からは、まるで一日が一時間くらいに感じる程、慌ただしく過ぎていった。

超一流のホテルで、私はお姫様みたいに豪華なウェディングドレスを着て、結婚式の日を迎えた。

真っ白なタキシードを着た柊司さんは、芸能人も及ばないくらいのイケメンぶり。

思わず見惚れてしまうほど。

美沙を始めとする、列席した女性陣の視線も、私ではなく柊司さんに釘付けだ。




私は、そんなに素敵な人の奥さんになったんだ。

とても誇らしくて、胸が弾んだ。

そりゃあ、誰にも言えない秘密はあるけれど、それでも構わない。

私みたいに平凡で婚期の遅れた女が、こんなに素敵な柊司さんと結婚するためには、多少のことは我慢しなきゃ。




柊司さんのお父さんもとても嬉しそうだし、柊司さんもお父さんとの約束を果たせたせいか、とても晴れやかな顔をしていた。

うちの両親も、とても嬉しそう。

まぁ、手放しで喜べる結婚ではないかもしれないけれど、行き遅れた娘にしては、かなり良い条件のお相手だもんね。

もしかしたら、お父さん…昇進するかな?

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