第11話

「こ、こら、芹香。

お前は何をやってるんだ。

早く、ご挨拶しなさい。」


「は、はい。」




(わぁ……)


彼の顔を見たら、また見とれてしまった。




すごい…!

写真より30%増しなんてものじゃない。

50%…いやいや70%増し?

顔の作りが良いだけじゃない。

男性なのに肌がとっても綺麗…髪の毛もつやっつやだ!

よほどお手入れしてるのかな?

あ…爪も綺麗!ぴかぴかしてる。

それに、指も長くて細くて…とても繊細で、まるでピアニストの指みたい。




「初めまして。芹香さん。

沢渡柊司と申します。」




(す、素敵な声!)




低くて響きがあって、落ち着いてて…

まるで、声優さんみたいに声に艶があるよ。




あぁ、これは全くの反則だ。

写真よりも実物の方がイケメンだなんて、想定外過ぎる!

そんなこと、あるはずがなかった。

なのに、なのに、柊司さんは想像以上のイケメンで…




(素敵…

ソジュン級のイケメンが、手を伸ばせば触れられる程の近くにいる…

なんて、幸せなことだろう…)




「芹香!何をぼーっとしてるんだ。

早く、ご挨拶を…!」


「……え?あ、あ、は、はいっ。」


お父さんの声で、私は我に返った。

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