第8話




「……いないよねぇ…」


ベッドに横になり、私は再びさっきの写真を眺めた。




うん、どこから見ても、ソジュン級の超イケメンだ。

こんなイケメン、芸能界が放っとかないよね。




ってことは、やっぱり『奇跡の一枚』か、修正だよね。

そうじゃなきゃ、ありえない。

あ…整形って可能性もあるか…

でも、芸能界に入りたいわけでもないのなら、整形なんてするかな?

あ、そっか。

美意識過剰とか…好きな男性に振り向いて欲しいからってこともあるか…




彼についての想像が止まらない。

一般人にこんなに惹かれたのは、もしかしたら初めてのことかもしれない。




でも、それは、これが写真だからだ。

実際がどうなのか、私は好奇心をかきたてられてるだけ。




本人に会ったら、きっとがっかりすることになるだろう。

もちろん、結婚だってない。

社長さんだとか、ペントハウスに住んでるとか、それらは確かに魅力的な条件だけど、私はなにもお金持ちになりたいわけじゃないから。

超イケメンと一緒にいたいっていうのが、私の夢なんだもん。




馬鹿馬鹿しくて…誰が考えても、無理な夢…

私だって、わかってる。

そんなの不可能に近いことだって。

でも、諦めたくない…!

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