第26話

逆に、フェルナンさんのことは、あれからいろいろとわかった。

年は私より少し上みたい。

なんらかの事情があって、フェルナンさんはずっとおばあさんに育てられたらしい。

ふたりで森の奥の家で暮らしてたけど、七年程前におばあさんが亡くなって、ひとりぼっちになったみたいだ。




なんでも、おばあさんには息子さんがいて、フェルナンさんは、多分その人がお父さんじゃないかって思ってるみたいだけど、その人は、おばあさんが亡くなる少し前に急な病で亡くなってしまったらしい。

息子さんからの仕送りもなくなって、フェルナンさんは働くために町に出ようと言ったらしいのだけど、おばあさんは町に行くことを頑なに拒んだようだ。




死ぬ間際にも、大きな町には行ってはいけない…

多くの人と接触してはいけないと言われたらしく、フェルナンさんはそれを守って、こんな田舎に住んでるみたい。

でも、おばあさんはどうしてそんなことを言われたんだろう?

フェルナンさんも、その理由にはまったく思い当たることはないらしい。




それと、驚いたのが、この世界には魔法みたいなものがあるということ。

フェルナンさんが、魔法使いにも薬草を届けてる…なんて言うから、私は本当にびっくりした。




あんまり詳しく訊くのも怪しいかな?と思って、訊いてないけど、魔法使いがどういうものなのか、とても気になる。

もしかしたら、なんらかの霊感や超能力を持ってる人なのか、或いはファンタジー映画に出る来るような本気の魔法使いなのか…

もう少し仲良くなれたら、その時に訊いてみようと思ってる。

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