第22話
*
「ど、どうもありがとうございます。」
「あまり良いものじゃないけど、そのような男の服よりはまだ良いだろう。」
「え?あ、そ、そうですね。」
フェルナンさんは、私に服と靴を持って来てくれた。
服はかなり着古した感じの、毛羽立った地味な茶色のワンピースだ。
スカートの丈は、足首近くまである。
私がはいてたのはコットンのワイドパンツなんだけど…
フェルナンさんがそれを『男の服』という限りは、きっとここの女性はパンツ系ははかないのだと思う。
「宿屋の奥さんがくれたんだ。
またそのうち、町に行ったらもう少しマシなものを買って来るから、今はそれで我慢してくれ。」
「は、はい、ありがとうございます。」
これは、フェルナンさんの好意なんだもん。
文句なんて言えない。
確かに、着ると気分が落ち込みそうな服だけど、変わった格好をして目立つよりは、きっとここの人達と同じような服を着ていた方が危険は少ないと思うから。
(うん、きっとそうだ。)
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