第20話

朝食を済ませると、フェルナンさんは薬草を採りに行くと言って出かけて行った。

ひとりで、他人の家にいるっていうのはなかなか落ち着かないものだけど、まだあんまり動けないし、じっとしてるしかないんだけど…




ベッドに横になってぼんやりしてると、考えてしまうのはやはりここのこと。




ここは、きっと今までいた世界とは違う所だと思う。

とっても非現実的な考えだけど、今の状況はそうとしか思えない。

お母さんとお父さんに付けられたこのバングル…

これが、私をここへ運んだんだと思う。

まるで、アニメかラノベの話みたいだけど、皮肉なことに、そう考えるのが一番自然だもの。




でも、問題は、お父さんたちがなぜそんなものを持ってたかってこと…

お父さんにはイギリス人の血が、お母さんにはフランス人の血が混じってるらしく、日本人とは少し見た目は違ったけれど…

でも、それ以外はごく普通だった。

特別な技術を持ってるってわけでもなかったと思う。

そんなごく普通のふたりが、どうしてこんなものを持ってたんだろう?

それに、ふたりは私がここへ来ることを知ってたはず…

つまり、ここのことを知ってるってことになるけど、それはどうして??




(お父さんやお母さんは、私に何を隠していたの?)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る