第2話 愛する者とその姿。
場は中華街の少し奥にある洋風な城。
異端炸裂である。
その城の広間には異端である能力者達が約500名ほど集まっていた。
照明が赤く飾られ、琴の音楽が鳴り響いている。
一人は、お面を外し、一人は着物を羽織り、一人は、口元を隠し、一人は、化粧で美しく着飾った。
そんな中。
一人の男君が姿を現した。
女か男が分からない姿形をしているが、間違いなく男だった。
そして、その男君はとある一人の能力者の方に向かって歩み寄る。
久々亜「貴方は、、、」
月 「初めましてだな、、」
そこには、昨日とは打って変わって、紫色の華麗なる姿の久々亜が立っていた。
男君の名前を「「桜川 月」」と言った。
月は、久々亜にそっと微笑み、そのお面を外し姿をあらわにした。
久々亜「、、、なんの用でしょうか?」
月 「ここにいる、能力者について知りたい」
久々亜は、初めて会うその人に警戒心と能力をいつでも発動できるようにしといた。
また、月は、何を考えているのか分からなく、余裕の笑みだけを浮かべていた。
久々亜「異端炸裂は、貴方のように馴れ合いなどはしません」
月 「、、、」
久々亜「ですが、一人も心細かったので丁度良いです。」
月 「それは何よりだ。」
久々亜 「お名前は?」
月 「桜川 月だ。」
久々亜「、桜川、、良い名前ですね。」
久々亜「私は「華巻 久々亜」。よろしく。」
月 「ああ、、よろしく。」
久々亜はお面を外し、紫髪の束ねていたロングの髪を下ろした。
そして、一つにまとめると、また月の方を見た。
久々亜「異端炸裂は初めてなの?」
月 「ああ、初めてだ。俺は、生憎興味が無かったからな。」
久々亜「、、初めて見た。興味が無い人。」
月は、お互い様だろ、と心の中で呟いた。
琴の音が瞬く間に轟いた。一斉に場が静かになり、一人の花魁が階段の上に姿を現した。
花魁「皆様。お集まり頂き誠に感謝申し上げます。」
月 「あれは、?」
久々亜「あれは花魁。この異端炸裂の進行をする者。」
月 「死者が出るのか?」
久々亜「出る場合もある。我々が殺したらの話だけど」
月 「なるほどな。一長一短で終わらないって話か。」
花魁は、着物とは思えないほどの長さがある織物を羽織り、500名全員を見下ろしていた。
綿帽子を被っているからか、顔は見えないが、その口元はたしかに笑みを浮かべていた。
その時、、、月が語った。
月 「あいつは、、、居ないのか?」
久々亜は、多少驚いた。
久々亜 「あいつ、、とは?」
月 「凪水 紅葉」
久々亜は、その瞬間、月にナイフを向けた。
勿論、他の能力者に気づかれぬ用に、、
久々亜「何用で、」
月 「言う必要は?」
久々亜 「私の命より大切なもの、初めて会う貴方に警戒心がないなどありえません!」
月 「、、、w」
月は、鼻で笑い飛ばし、久々亜の掴んでいるナイフを素手で掴み返した。
久々亜 「!!?」
ナイフを掴んだその手からは、血が流れ続け、、
月 「俺は、あいつにしか殺されない。」
月 「何だったら、、今すぐにでも、殺してみろよ、w」
久々亜 「、、、は、、、?」
久々亜には、冷や汗が垂れた。
何を言っているのか、まるで分からなかったからだ。
この男は、何をしにこの場所に来て、何をしに紅葉様に会いにいく?
紅葉様も、会いたい実力者がいると言っていたが、、この男なんだろうか、、
唇を、、かみ締める。
花魁の位置からだと、ナイフが見えてしまうと思う
花魁の視線が、我々2人に突き刺さる。
そして、また琴の音が鳴った。
明かりも赤赤しく、まるで中華街。
久々亜は、そのナイフをしまった。
久々亜「ここで、貴方を殺すのは時じゃない。」
月 「いいのか?本当に。」
久々亜「構いません。私は紅葉様に従うまで。」
月 「なるほどな。」
久々亜「、、、?」
そして、月は笑った。
花魁は、異端炸裂の説明をしていたが、我々は何も聞こえやしなかった。
ただただ、琴の音と、血の流れる音だけ。
月 「じゃあな。」
久々亜「どこへ!?」
月 「どこでもねぇよ。」
そして、月はその洋城の奥へと進んで行った。
その時、、この二人の姿を視認していたものがいた。
それは、、まだ、、分からない。
そして、琴の音と同時に、花魁の能力で能力者500名程の人が一斉にその場から散った。
異端炸裂には、前々から出たことはあるが、その都度内容は変わっているので、今回の内容が何なのかは全く分からない。
久々亜がいた場所は、一つの畳がしかれた部屋。
でも、、どこにいても、最初に聞こえていた琴の音は変わらずに鳴り響いていた。
その人は、洋城の屋上とも言える場所に居た。
月 「、、、」
やっと、、、、見つけた。。。
月 「、、、」
月は、とある人物に近づいた。
紅葉「、、、音も無く来られますと、、」
その人物は振り向き月と向き合った。
紅葉「少々、、警戒致してしまいますね、、」
紅葉だった。
紅葉の姿は、やはり、あの裏道で会ったように、お面に、簪、顔など見えなかった。
一方に月は、白髪で、不透明な瞳。全てが白く、性別も見ただけでは分からない。
月 「悪いな。」
紅葉「いえ、、、」
月 「、、、」
紅葉「何をしにこの異端炸裂に?」
紅葉「最強の称号欲しさに、、とはならないのでしょう?」
月 「別に、、何も無い。」
月 「ただ、、能力者であり、やることが無かっただけだ。」
紅葉「そうですか、、、」
紅葉は、またその屋上から見える中華街の景色に眼をやった。
月 「この異端炸裂は、、一体何をする。?」
紅葉「ただ、、生き残るだけですよ、、」
月 「、、、」
紅葉「とある怪物からね、、」
月 「お前、、能力者じゃないな?」
紅葉「、、、w」
月 「何をしにこの異端炸裂に来た、ここは能力者だけじゃないのか?」
紅葉「、、、」
月 「俺にも、、目的がある。お互い様だ。」
月 「だが、さっきのあの能力者の数と、その実力。気をつけろよ。」
紅葉「一つ、、、」
月 「、、?」
紅葉「久々亜を、、、お願い致します。。」
月 「なぜ、、あったこともない俺に頼むんだ?」
紅葉「いえ、、、ただの、、気まぐれです。」
その時、、花吹雪がその屋上を襲った。
この花吹雪は、、花魁の気配ととても似ていたから、おそらく花魁の能力だろう。
そして、それと同時に、先程まで薄れていた琴の音がした。それも、、、
一時だけ。
紅葉「では、、また会いましょう。」
月 「ああ、、」
その時、、、俺らは中華街に飛ばされた。
そして、、脳内に直接、、花魁の声がした。
「「これから、、この中華街および、異端炸裂を行います。
ルールはただ一つ。
人間に化ける怪物をその地に離しました。
ただ、、時間内まで生き残るだけ。
農民はただいま眠っておられます故、ご心配をなさらずに。
では、命落とさぬよう、異端炸裂を生き残ってください。 」」
そして、俺はその異端炸裂に1歩を歩き出した。
やはり、琴の緒とは聞こえていて、、
また、、人の気配もゴロゴロと見えた。
怪物、、その正体は分からないが、、
月 「生き残る、、ただ、、それだけだ。」
この場にあいつも居るのなら、、
俺の、、、全てとも言える者が居るのであれば、、
俺は生き抜く。
この異端炸裂を。
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