第22話

「ごめんなさい。自己紹介が遅れて。甲賀伊津子こうがいつこです。

私達はセレブじゃないし普通にパパ、ママと呼んでくれるかしら。」


にこりと笑われて嬉しくなった。

三枝の母には『お母様』と呼ぶように言われてたから。


「はい。ありがとうございます。嬉しいです。」


「いきなりは無理だけど敬語も外して欲しいな。」


パパが微笑みながらいってくれて私も大きく頷いた。うん。頑張ろう。


「あの聞きたい事があって。いいかな?」


恐る恐る敬語を外すと、


「ああ。なんだい。」


パパが気さくに答えてくれる。良かった。


「どうして養女に私を選んだの?」


普通もっと小さい子をもらうんじゃないかな。

これはずっと考えてた事。


「不思議かな。だよね。もちろん小さい子を引き取る事は考えてたよ。

けどこれはもうご縁だよね。」


「ご縁ですか。」


「養子をとることは以前から考えてたの。でも相性とかタイミングとか色々あってね。」


パパもママも真剣に答えてくれた。


「実は3人、養子話を見送ったの。諦めかけた時波月さんから話をもらったのよ。」


ママの言葉に目を見張った。


「そんなに慎重だったのに何で私をいきなり養子に。」


素直な疑問を口にした。

私との養子話は突然でしょ。話があって直ぐに手続きした筈だもの。

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