第6話
ギシリとベッドがきしむ音と振動がして彼がベッドに腰掛けたんだと気付く。
恐る恐る目を開けるとそこには恐ろしい位に整った顔の男性が居た。
どう見ても私より10才は上の大人の男。サラサラの黒い髪は軽く後ろに流されていて、長いまつげに縁取られた茶色の瞳。すっと通った鼻筋、唇は薄いのに何故か官能的に見える。
イケメンなんて軽い響き過ぎる。始めてみる綺麗な大人の男の人だった。
私を見詰める目は冷たくて無表情な顔はひどく無慈悲に見えた。
息さえ出来ないくらい固まった私に彼は
「また傷が増えたな。」
感情の見えない声でそう言うと赤くなった私の頬に指でそっと触れた。
その感触にいたわりと慰めを感じる私はきっと疲れ切ってるんだ。
彼もきっと『味方』ではないのに。
薬のせいか私の意識は再び闇に落ちた。
辛い現実から闇に逃げ込む。夢の中だけは私は誰にも傷つけられないから。
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