第5話
「頼まれたんだろ。で、引き受けた。」
「はい。」
そんな『曰く付き』のお守りだなんて知らなかったもので。部長からしっかりお金まで渡されました。
「じゃ、買わなきゃしょうがねえじゃん。」
あっさり口にする茶髪男。
「いわくを聞いて買える程無神経じゃありません。」
「じゃ、買わずに帰って断れば。」
う~ん。やっぱりソレが最善の方法だろうか。
私が悩んでると
「もうっ片瀬くん、営業妨害しないでよ。」
ぷうっ、とふくれて巫女さんが拗ねた。かなり年上だと思うけど凄い可愛い。美人は得だ。
「んじゃ『俺が金預かって買ったお守りをアンタに渡す』で、どう?」
「…つまり、私が800円を茶髪さんに渡したら茶髪さんが私の代わりにお守りを買ってくれるの?」
「…ちげぇ。」
えっ、意味取り間違えたのかな。
「茶髪じゃなくて、片瀬。
「あ、ご丁寧にどうも。
「緑王かよ。随分遠くから来たな。」
「電車で35分。バスで40分て所でしょうか。」
「バイクだともうちょっと速いけどな。」
さすが、片瀬さんは見た目を裏切らず移動手段はバイクらしい。
そう言えば志仰学園ってかなり有名な不良校だよね。なんとかって言う暴走族の巣になってるって聞いた気がする。
「片瀬さん緑王まで来た事があるんですね。」
「ああ。ダチの連れが居んだよ。緑王には。」
「そうなんだ。」
世の中狭い。知り合いの知り合いだったりして。
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