第2話

あれからひたすら石段を登ること約20分。

「やっと、ついた。」


マジでしんどい。

部長に何かおごってもらわなきゃ割りに合わないよ。

最後の10段で完全に太ももがつった私はヨロヨロと近くのベンチに座り込んだ。

ぜーはー。

荒くなった息をうつ向いて整えた。まだピチピチのJKなのに年を感じるなあ…。


「片瀬くん、こんな早くにお札をもらいに来たの。昨夜遅かったんでしょ眠くない? 」


「しょーがねえっしょ。桜子さくらこが貰ってこいってうるせえんすから。」


なにやら社務所の方から声がする。

ボンヤリと顔を上げると

綺麗な巫女さんと茶髪の男が話してた。後ろ姿は不良っぽいけど、なんとなく優しい話し方してるから怖くはないかな。あ、横向いた。何気にイケメンさんだ。


「あ~昨夜溜まり場泊まって、朝早く目ぇ覚めちまったんで…。」


「早いって何時頃来たの。」


「朝6時過ぎに向こう出て一時間程社務所が開くの待ってたっす。」


成る程ね。だから私の前を歩いてなかったんだ。


「そんなに?社務所のドアを叩いてくれたらよかったのに。」


「冗談しょ。貴己あつきさんに殺されるっすよ。」


「あっちゃん、今朝は早くに隣町の神社のお手伝いに出て居なかったのに。」


「マジっすか。」


2人の話が一段落するのを待って立ち上がると、ゆっくりと社務所の方に歩き出した。

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