第4話

頼可の後からそっと図書室の中を確認する私。


「おいで真由加。」


優しく私を呼ぶ頼可。ほっ。無人だ。

司書さんもいない。これじゃあ本の返却は出来ても借りられないな…。


「何借りる気だったの。」


入口近くの椅子に腰かける頼可。


「この前貸し出し中だった新書。」


私がゆっくり本を見てる間、頼可は椅子にかけて入り口を見張ってくれる。

なんと言うか…過保護だとは思う。

本の虫の私は入学以来図書室に入り浸り。司書さんとも仲良くなったんだけど。予想外だったのが図書委員長の先輩との出会いで。

早い話が告白された。

背も高いし結構モテる人だったから戸惑いしかなくて私なんかじゃ釣り合わないと丁寧にお断りしたんだけど。

何故かアプローチが酷くなって図書室に来辛くなってしまった。

その内に立彦達が美術室に溜まりだして私と頼可も仲間にしてくれたんだけど。それでもやっぱり本が好きで図書室に来るときは心配した頼可が一緒に来てくれてる。

最近は先輩とも会わなくなったし気にしすぎなんだろうけどね。

ゆっくりと書棚の間を歩いて頼可の様子を見れば机に突っ伏して寝てる。


「ふふっ。」


今夜はハンバーグ作ろうかな。なんて考えてたら


「久し振り。」


聞きなれた声に弾かれたように振り向いた。

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