第4話
頼可の後からそっと図書室の中を確認する私。
「おいで真由加。」
優しく私を呼ぶ頼可。ほっ。無人だ。
司書さんもいない。これじゃあ本の返却は出来ても借りられないな…。
「何借りる気だったの。」
入口近くの椅子に腰かける頼可。
「この前貸し出し中だった新書。」
私がゆっくり本を見てる間、頼可は椅子にかけて入り口を見張ってくれる。
なんと言うか…過保護だとは思う。
本の虫の私は入学以来図書室に入り浸り。司書さんとも仲良くなったんだけど。予想外だったのが図書委員長の先輩との出会いで。
早い話が告白された。
背も高いし結構モテる人だったから戸惑いしかなくて私なんかじゃ釣り合わないと丁寧にお断りしたんだけど。
何故かアプローチが酷くなって図書室に来辛くなってしまった。
その内に立彦達が美術室に溜まりだして私と頼可も仲間にしてくれたんだけど。それでもやっぱり本が好きで図書室に来るときは心配した頼可が一緒に来てくれてる。
最近は先輩とも会わなくなったし気にしすぎなんだろうけどね。
ゆっくりと書棚の間を歩いて頼可の様子を見れば机に突っ伏して寝てる。
「ふふっ。」
今夜はハンバーグ作ろうかな。なんて考えてたら
「久し振り。」
聞きなれた声に弾かれたように振り向いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます