第2話
「うん。読み終わった。」
「図書室寄るんだろ。付き合う。 」
頼可は編みかけのマフラーを鞄にしまうと立ち上がった。綺麗な編み目の黒いマフラーは私のパパへの貢ぎ物らしい。
「バスの時間が有るから鞄持って行こう。」
「うん。」
私は立ち上がって頼可の隣に並ぶと皆に声をかけた。
「図書室行ってくる。」
「おう。あとでバスでな。」
軽く手を上げたのは立彦。
愛嬌のある笑顔が可愛い。ボードゲームの達人。
「乗り遅れんなよ。」
頼可に笑いかけたのは芯太。
ちょっと太めだけどメタボではなく家系的に父親に似て筋肉質らしい。父親とは仲が悪いから自分の体型が嫌いだと言う。2人とも私とは幼稚園からの付き合い。幼馴染みって関係。
さっきからあ互いの両親の不甲斐なさを愚痴ってる。それを然り気無く方向修正したのが
「森さん、またね。」
オレンジジュースを手に私に笑いかける美術部の副部長。2年の明日香先輩。
帰宅拒否部を受け入れてくれた姉御肌で優しい人。
そして私の傍らに立つのは
同じクラスの同級生。
私が
推定身長172。編み物とお菓子作りが趣味の草食系男子。性格は物静かで優しい。黒縁のメガネは伊達。
(目付きが悪いから気にしてるんだそう。)
足の怪我の治療で母方の祖母のいる温泉街に滞在中。左足のリハビリ中でまだ少しびっこをひいてる。入学式では松葉杖姿だったからそれを思えば随分回復してる。
私との関係は…友達以上恋人未満?
寄り添う距離が心地良いからこのままの関係でも十分なんだけど
「真由加?」
先に歩く頼可が足を止めて振り返ると私の名前を呼んだ。
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