第2話

春日井麻耶かすがいまやさん。」


「はい?」


どう記憶を辿っても交わしたのはその会話だけ。次の瞬間首筋に鈍い痛みを覚えて私は意識を失った。


「…へぇ?流石に似てるな。」


「女なのはいただけませんがまあそこそこ背もあります。シークレットブーツでも履かせたら男に仕立てられるでしょ。」


「ふ、まあな。なにしろあのなよっちい若頭の身代わりだ。女でも十分務まるんじゃね?」


「…温和はるとさん。

間違ってもご本人の前で態度に出さないでくださいね!」


「わかってるよ。」


…残念だね。目は閉じてるけどちゃんと会話は聞こえてる。

どうやら私の側で会話してる二人の男は私にいい感情は持ってないらしい。

まあ強制的にラチったんだから良い奴等ではないだろうけど。それにしても…若頭の身代わりってなに!

それって私とママを捨てた男の?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る