第14話
なんだか怠い。
病み上がりだしな…。
知らない人と神経使って会話して。その癖たいした成果はあげられず
じゃらり…
足首の鎖は消えてくれない。
お腹空いたよ。
重い瞼を閉じて床に座り込んだ私。
いつの間にかうつらうつらと眠ったらしい。
「おい!」
不意にかけられた低い声に飛び起きた。
「っ、はいっ!!」
パチリと目を開けて しばしばと瞬きして 目の前に立つ背の高い男の顔を何度も見る。
「…夢か。」
そのまま二度寝しようとした私は背中を蹴られた。
「…きゃっ!」
ノーガードで蹴られて床に転がる。
女子高生を蹴り飛ばすなんてなんて野蛮人なんだ。文句を言おうとしたら
「無視してんじゃねえよ。」
低い声で唸られた。
もしかしてこの男!?
「もしかして貴方が桐生仁!」
私を拘束してる変態。
「だったらなんだ。」
横柄に言うこいつはやっぱり桐生仁らしい。20代後半かな。スーツをきちんと着たやり手の実業家みたい。
綺麗な顔立ちだし気品も感じられる。
ちょっと見ないくらいのイケメンだからてっきり寝惚けてるんだと思ったのに。背中を蹴るとかあり得ない。
「普通に見えるのに。」
「…あ?」
眉を跳ねあげた男に、
「女子高生を鎖で繋いで監禁する犯罪者だなんて…世も末だ。」
いくら疲れて眠かったとはいえ、
自分を監禁してる奴に正直に感想を言った私はバカだった。
いや、変態というWordを使わなかっただけまだ救われるか。
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