第12話
この状況を考えたら彼女に協力してもらって解放してもらうのが手っ取り早い。でも、私を躊躇わせるのは彼女からひしひしと感じる敵意。
多分彼女は成瀬静香が嫌いだ。
「あの、質問していいですか。」
私の声に彼女は目を細めると顎を上げる。そんな態度も横柄で私が嫌いだと態度で示していた。
「ここはどこで、貴女達は何者ですか。何故鎖で私をつないでるんですか。」
「へえ。あんたはそれを私に聞くんだ?へえ。」
なに?彼女に聞いちゃダメだったの。
彼女はじっと私の目を見た。
反らしちゃいけないと感じて私も見返す。1.2.3…何秒見つめあったのか
「私は
「伊藤さんですね。」
復唱する私に軽く眉をひそめる。伊藤紫乃はそれでも私を拘束している人を教えてくれた。
「あんたを拘束してるのは
ここは彼の持ち物。」
「桐生仁。」
静香さんとはどんな関係なんだろう。
「ここは?」
「だから桐生仁のマンション…」
面倒くさそうに言う彼女を遮って質問をする。
「いえ、そうじゃなくて住所の話です。関東…ですよね。」
「‥‥はぁっ!?」
伊藤さんが顔を歪めた。
え?違うの!?
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