第4話

『良かったぁ。あのままお嬢が見付からなきゃ、くうさんに殺されてたよ!』


『まったく。お嬢は見た目と違ってお転婆だから。』


『マジ、若姐さんと若頭に殺されるかと思いました。』


『『『見つかって良かったぁ。』』』


何だろう。やたら煩い。

頭痛いんだから静かにして欲しい。


『お嬢の熱、高そうだし。中瀬の先生には連絡してあるな?』


『うすっ。先生にも若姐と若頭にも連絡済です。』


『空さんもこっちに向かってます。』


『急いで成瀬なるせに帰るぞ!』


『『『うすっ!』』』


ガタガタと振動するシートに車に寝かされてるんだとわかった。

さほど怖くないのは、やっぱり高熱と体にかけられたタオルケットのせいだろう。

一応、丁寧に扱われてるっぽいし。

この人達の会話は意味不明だけど多分静香さんの知り合いなんだろうと思う。

熱が下がったら事情を説明して家に帰してもらおうと私は熱の上がった頭でぼんやり考えてた。

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