第33話

デザートを食べながらお互いの近況報告。

薫は志仰学園に興味津々で特に黒豹先輩と才賀先輩との出会いの話に食い付いてきた。


「ねえ、才賀留衣さいがるいって『龍王』の副総長だよね。凄い美形らしいじゃん。

それに黒豹って武藤良太むとうりょうたでしょ。 凄いね。由香『龍王』の総長に膝枕したんだぁ。

で、どうなの。やっぱり噂どうり危険な男な訳。」

へえ。やっぱり才賀先輩『龍王』だったんだ。しかもルイってまんま王子様の名前だ。

それにしても黒豹先輩って、武藤さんて名前だったんだね。

薫は物知りだ。イヤ私が無関心なだけか。考え込む私は何故か薫にキラキラの瞳を向けられて苦笑する。何を聞かれてたっけ。


「危険かぁ。確かに出逢いはとんでもなく危険だったけどね。」

もう少しであの巨体の下敷きに為ってたかもなんだし。


「でも危ない人だなんて全然思わなかったよ。」

可愛いい仔犬顔だったしなぁ。

先輩の顔を思い出して口元が緩む。


「ふうん。由香は武藤良太が気に入ったんだ。」

ニヤニヤ笑いの薫。


「あ~だねぇ。凄く可愛いい顔してたしなぁ。」

「由香小さい頃から可愛い子好きだったからね。付き合えばいいのに。」

飲んでた紅茶を吹き出しそうになった。


「薫、あんた私を退学させたいの。」

両親との約束を知ってる薫をジロッと睨めば


「由香は馬鹿正直過ぎ。女子高生が恋せずにどうすんの。」

しれっと返された。


「‥‥‥。」

コイツ私に嘘を付けと。


「そんな顔しない。まぁアッサリ離れられたんならまだ恋じゃないか。」

なんか、ムカつく言い方をされた。


「由香。好きな人が出来たらちゃんと付き合いなよ。不良だからって離れないで。いざと為ったら両親を騙すなんて訳ないし、

てか、由香は僕と違って好きな奴とちゃんと付き合えるんだから無理に気持ちに蓋すんな。」

薫はそう言うと優しく私の頭を撫でた。

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