第14話

すっ…と軽くなる膝にほっとした。


仔犬の顔した大男は立ち上がり私の背後の彼を睨み付けてる。どうやら顔見知りらしい。

後ろから浴びせられた殺気が消えて体の力が抜け安心して溜め息がでた。


「驚きですね。女嫌いのあなたが膝枕とは。どう言う関係ですか。」

かけられる冷たい声に、顔に似合わない乱暴な声で大男が答える。


「るせぇよ。かまうな。」


「そう言う訳に行きません。自分の立場を自覚して下さい。」


「…わかってる。」

何だかお説教されてる感じの会話になってきた。才賀と呼ばれた人の方が立場強いのかな。

私はゆっくりと両足を伸ばして擦る。

やっぱり痺れて感覚がない。桜の花びらと小石が大量に足にくっ付いてるし。

普通に歩ける様になる迄しばらくこのまま動けそうに無いな。

赤くなった両足を擦りながら溜め息をついた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る