第11話

私を真っ直ぐに見つめる榛色の綺麗な瞳。お互い無言で顔を見つめ合う。

時間にして約15秒。


「なんだ夢か。んじゃ良いよな。」

ビックリして固まった私にそう言うと膝をついた私の腰に手を伸ばしてそのままグイッと引き寄せた。


「っ…きゃ!!」

勢いに負けてそのままその場に正座する私。


ポスッ!

はっ? えええ~っ!

気が付けば、なぜか私は仔犬みたいなかわいい顔をした熊の様な大男に膝枕をしていた。


「うん…柔らかくていい匂いがする…」

とか何とか赤面もののセリフと共に私のお腹に顔をすりすりして。


「また寝ちゃってる。」

余程眠いのか一瞬で夢の中に旅立った彼。寝つきが良くて羨ましい。

じゃなくて!怪我してないなら離してよ。

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