第10話

それでもいきなり血まみれの顔面とか勘弁して欲しいし、まず彼の大きな背中に目をやり平行な薄ピンクの地面と比べて見る。

するとやっぱり規則正しく上下してるのを認めてホッとする。

良かった生きてる。

それにしても樹の枝から落ちたにしても地上から3メートル弱はあるよね。

何で寝てられるの。

あまりの痛さに気絶したままとか。

あわてて顔色を確認する為に

半分腕で隠れた彼の顔を覗き込んだ。


「…可愛い。」

体の大きさからいって、きっと熊みたいな男だと勝手に想像してた私は思い切り予想を覆された。

そこですやすやと眠って居たのは、

まだ幼いと言っていい顔立ちの男の子だった。


「睫毛長い。」

私が溢した独り言と同時に眠ってた彼がパチリと目を開けた。

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