第47話

それにしても俺に弓槻舞子を押し付けるとは!

しかも嫌味を言われると咄嗟に感知した日向那智には電話を切られる始末。

確かに目端の利く男だと思って匠に着けたんだが。


「…なんかムカつくな。」


俺はソファーに腰掛けぼそぼそと人の悪口を言い交わす金髪とのっそり熊を見た。


「葉崎。」


俺の声に反応して目だけ寄越す葉崎真治。


「…なに。」


流石にさっきの毒舌が効いたのか俺の声に警戒している。


「匠さんから伝言です。」


「へ?」


間抜け面で俺を見る。


「外にいる美人の相手を頼むと。」


「…え?はっ?美人!!」


「ええ。花のような…。」


ラフレシアですけどね。

俺の声に立ち上がる女好きな金髪。


「…マジか?」


半信半疑の波多野に服の裾を押さえられながら外に出る気満々の葉崎。


「疑うなら日向に電話してご覧なさい。」


きっと電源は落としてますけどね。

俺に怯えて。

なんて…

そんなことをオクビにも出さず平然と言って退けた。

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