第43話
真治と会った頃の事を思い出してみたが
「わからねえな。」
ポツリと呟く俺の携帯に、着信音が響く。
「女か?」
真治。泣いてたんじゃねえのかよ。
だいたい俺の携番知ってる女なんて居ねえよ。
「違う。組からだ。」
着信 橘 昭人
「…はい。」
『…今からお帰りになれますか?1時間程ですが時間が取れます。』
「わかった。すぐ帰る。」
俺の返事を聞いて充が眉をしかめた。
「何かあったのか?」
「いや。これから時間が空いた時に松江の仕事の概要を教えて貰う事にしたんだ。」
「は?」
真治は口をポカンと開け、
ヒュウ~。
波多野は口笛を鳴らす。
「成る程ね。小田切聡太に刺激されましたか。なんにせよ結構な事です。」
なんとも嫌味なモノ言いだ。
言い当てられてるだけに反論出来ねえ。
「余計なお世話だ。放っとけ!」
俺は充を睨み付けた。
コイツは使えると側に置く事を決めたが、肺癌で死ぬ心配よりストレス性の胃炎の心配した方が良いかも知れねえ。
「時間がねえから帰る。」
言い捨てて部屋を出た。
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