第34話

「遅かったじゃん。大部屋にかわいい子でも居たか。」


軽口を叩くコイツは葉崎真治はざきしんじ

金髪に片耳にピアスを2つ付けた見るからに軽い奴。俺より1つ上の高1。

『緋色』ではNo.3の位置に居る。甘いマスクの女好き。

そう言えば、俺も甘いマスクだと言われてるな。

まあ、それはいい。


「ああ。スゲエ美人がいた。」


「マジか?」


俺の言葉に真治が反応する。

んな訳がない。ここは先代から女は入れない規則だ。わかってて話に乗る真治は所謂『ノリがいい』奴だ。


「匠は婚約したばかりでしょう。笑えない冗談ですよ。」


冷静に言葉をかけるコイツは天城充あまぎみつる。アッシュブラウンの長い髪を後ろで結んでいる。

『緋色』のNo.2。

高2。中々の策略家だ。

コイツはやたら目付きが悪い。視力が落ちた時眼鏡をかけずにいた為、目を細める癖が付いたらしい。

今はブルーの度付きのカラコンを入れて居る。顔付きは悪くねえのに勿体無い奴だ。


「そう言えば匠さん、許嫁ができたんだっけ。」


真治が言うと如何にも軽い。

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