第27話
「聞いていいか。」
「なんなりと。」
性根の据わった真っ直ぐな目に俺は気持ちを吐露した。
「何でウチだ?同じ会派を率いるなら小田切の方が遥かにデカイだろ。」
悠里が村木に気に入られてるなら、小田切聡太と春菜を一緒にさせることを考えねえか。
どうせ嫁がせるなら近場に越したことはねえだろうし。
「確かに、既に何度か春菜と小田切聡太には面識があります。」
だからこそ諦めたのだと快里は苦笑した。訳がわからねえな。
「春菜は小田切聡太の覇気に当てられた事があるんです。」
「覇気に?」
「偶然ですが、喧嘩の現場に行き合いまして。」
半年程前だと言う。
「彼は春菜を背に庇い覇気を放ったんですが、その覇気にすっかり春菜が怯えてしまって聡太さんに会うのを嫌がる様になったんですよ。」
そうか。未だ幼稚園児だし仕方はないか。
「聡太さんには庇ってもらいながら申し訳なかっです。」
それよりと俺を見つめた快里は
「匠さんの相手こそ選り取り緑なんじゃないんですか。」
相手が春菜で不満がないのか。
笑いながら笑ってない目で俺に問いかけた。
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