幕間

第24話

side 松江匠真まつえしょうま




「ホントに君に良く似た目をしてる。」


匠が部屋を出た後、快里は俺に笑顔を向けた。


「不平不満の塊ってか。」


「また、ひねた事を。」


今度は呆れた口調だがそれもいつもの事。快里の最初の妻と俺の妻が親友同士だったのが交流を持つ切っ掛けだった。

俺は北陸気鋭会。快里は近畿敬侠会。

付き合いを持っても、然程お互いの組の事情が気にならない。同じ会でなかったのが幸いした。

独身時代から付き合いを重ねて。事情が許せば泊まりがけで飲み明かす事もあった。

結婚もほぼ同じ。ガキも同じ年にお互いに跡継ぎの男を授かった。

ずっとこのまま変わらずに夫婦で付き合えると思ってた。


そんなある日

快里夫婦が狙撃される事件が起こった。妻だった萩乃はぎのさんは額を撃ち抜かれ即死。

快里は体の3ヶ所に弾丸をくらい、ふた月死線をさ迷った。

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