第20話
「失礼します。」
客間の廊下には見慣れない男が一人。七瀬の護衛だ。俺の事は聞いてるらしく軽く頭を下げられた。
部屋の外に立つ奴に軽く黙礼し声をかけて襖を開けた。
「何時まで寝てる。」
苦い声をかけたのは親父。チラリと顔を向け
「思いがけない客がいて相手をしてた。」
ふん、と鼻を鳴らして返事を返すと座卓を挟んで座る男に目を向けた。
親父よりやや年上に見える男が胡座をかいてゆったりと構えて俺を見ていた。
「失礼します。」
俺は客人に声をかけて同じように胡座をかいてる親父の後ろに正座した。
「松江匠です。」
軽く頭を下げて相手を見る。
「はじめまして。七瀬組の組長を務める
色男。そんな言葉がぴったりのナイスミドル。
スーツを洒落た感じで着こなしている。細いな。あまり健康そうに見えないのは気のせいか。
「春菜を引き受けてくれると聞いたが。」
俺の目を真っ直ぐに見る組長から視線が逸らせなかった。
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