第15話
俺はそっと片膝をついて春菜を肩から下ろした。
「春菜。俺は飯食ってるから橘に遊んでもらえ。」
部屋の隅に座る橘を顎で指した。
「お祭りに行って良い?」
春菜はどうやら祭りが気に入ったらしい。
「構わねえが、今日はあまり賑やかじゃねえぞ。」
昼間だし寝てる奴も多い。賑やかな3日が過ぎれば、夜店もごっそり減ってる筈だ。
「いいの。お散歩したい。」
春菜はキラキラした笑顔を俺に向ける。まさに穢れのない天使だな。穢れだらけの俺には綺麗すぎる。
「行くならパパにちゃんと言ってから行けよ。」
俺が笑いながら言うと、うんと頷き橘の手を引いて部屋を出た。
パタンと閉まる襖を確認して俺は安生を睨み付けた。
「あんなガキを俺の許嫁にしようなんざ一体ジジイは何を考えてる!」
俺の怒鳴り声が和室に響いた。
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