第9話
「おはようございます。」
幼い顔に似合わずきちんと挨拶する美少女。
多分幼稚園児位か。
周りに子供がいる環境じゃ無いから断言は出来ないが。
俺は状況が掴めず困惑した。
何でこんな所にガキが紛れ込むんだ。
考えられるのは本家を訪れた客のガキか。
泣かせたら厄介だと優しく声をかけた。
「おはよう。迷子になったのか。」
俺の声に美少女はむっとした顔で
「亮ちゃんに匠坊に挨拶して来なって言われたの。」
「リョウちゃん?」
本家で俺の事をそう呼ぶのは
「
本家の奥向きを仕切る古ダヌキ。
顔も体型も序でに性格も見事な狸だ。
「うん。亮ちゃん。」
話が通じて嬉しいのか美少女はコクコクと頷くと嬉しそうに笑った。
可愛いじゃん。まるで天使だな。
「亮の身内か。」
あの狸の血筋とは思えない程の美少女だ。
俺の問いに美少女は首をかしげて名前を名乗った。
「
「‥‥‥」
誰かに教えられたのだろう。
美少女はそう言うと
「やった。ちゃんと言えた。」
小さくガッツポーズをした。
七瀬春菜だぁ!?
ニコニコ微笑む美少女を前に俺はベッドに倒れ込んだ。
あの糞ジジイ!
謀ったな。
何がヤったら話は無かったことにしてやるだ。
俺は幼女をヤル程の外道じゃねえぞ。
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