第8話

深夜までハッキングしてた俺は、そのままパソコンを放置して爆睡。


朝、誰かの視線を感じて目が覚めた。

眠いな。

今でも不思議だが、部屋に他人の気配を感じて飛び起きなかったのは【迂闊うかつ】以外の何者でもない。

例えばそれが刺客なら俺は寝込みを襲われ死んでる。


うっすらと瞼を上げた俺の目に飛び込んだのは絹糸のような綺麗な黒髪。

朝の光を浴びて天使の様な輪っかが出来ていた。

肩までのストレート。片方だけ髪が貝殻みたいに形のいい耳にかけられている。

俺の顔を覗き込む目は黒目勝ちで零れ落ちそうにデカくて長い睫毛に縁取られている。

小さな鼻とピンク色の小さな口。

その口が俺が目を覚ました事に気づいて


「あ。」


鈴を振るような可愛らしい声を出した。

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