第3話

『あまりに女遊びが酷いので別れた。』は半分本当で半分は嘘。少なくとも付き合ってた頃はそんな事はなかったらしい。瑠花情報だからなんとも言えないが。

でも彼の周りには女性の噂が絶えなかったし品行方正だったとは思えない。


「…あんた!」


「はい?」


「『心火しんか』の城田蒼士を振ったって!」


信じられない顔をされた。


「ああ、信じなくて当然ですよね。ごく普通人の私と『心火』総長の彼がつき合ってたなんて。」


「あの人は去年総長になった。すごい人で面子からの信頼も厚いカリスマだ。」


私を囲む先輩の1人がわめいた。口調から城田蒼士に傾倒してるみたい。憧れとか恋慕とかそんな気持ちが見え隠れしてる


「はぁ…そうですか。」


それは知らなかった。城田蒼士がモテるのも本当の話か。まあイケメンだしな。

黙ってても情報は集まるモンなんだね。

知らずに唇が弧をかいた。


「今は関係無いって言ったね。」


「はい。」


「じゃ何で『心火』の面子がうちの学校に乗り込んできたんだよ!」


今まで質問してた先輩の横にいる女が口を挟んだ。


「ああ、ねえ?なんででしょう。」


そんなの私が聞きたい。

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