追いかけられて…。

柏木瑠花と言う女

第2話

「ちょっと、付き合ってよ。」


放課後、あまりガラの良くない女の先輩達に絡まれて、連れ込まれたのは私が通う女子高の体育館の裏側。

田舎と言ってもそこそこ大きな近畿地方の都市。こんな風習があるんだなぁ…なんて感心してる私はいわゆる『訳あり女子』。


「先輩達、ここって如何にも怪しい場所なんですけど。」


一応大人しくついてきたのは一緒に帰ろうとしてくれたクラスメートを巻き込みたくなかったから。

そして、呼び出される覚えも無いことは無いから。


「あんた、転校生の柏木瑠花かしわぎるかだよね。」


体育館裏の外階段で私を待ってた女が声をかけた。


「はい。1学期終わりに2年A組に転校しました。」


今日は2学期最初の登校日。まだ登校するのは10日目位な筈。転校生扱いも無理はない。で?貴女は誰?

私の無言の質問はスルーされたまま次の質問をかまされた。


「『城田蒼士しろたそうし』とはどんな関係?」


やっぱり城田蒼士か。城田蒼士は隣の男子校の超が付くほどの有名人。


「今は何も。しいて言えば最近まで付き合ってましたが。」


「「「「は?」」」」


「あまりに女遊びが酷いので別れましたが。なにか?」

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